便と対話する①

便と対話する①

発酵腸活のSUMIKA methodにおいて大事にしていることの一つに「便との対話」があります。

便と私たちは死ぬまで切ってもきり離せない関係性です。

近年、便から体の様々ことがわかるようになってきました。本当に詳細に知るには、便を検査に出す必要がありますが、毎日の便を観察することで、便は私たちに色々な情報を与えてくれています。

観察の目安は下記の図をみていただきたいのですが、毎日の便をストレスなく排泄できるようにする。ということは、その排泄の瞬間だけでなく、体全体がおおむね良好であると言えるのではないでしょうか。

 

わたしも長年毎日のように下痢に悩まされていましたが、便秘で悩んでいる多くの人も、なんとなく排泄時に違和感を感じている人も、排泄時にストレスがなくなると、世界がとんでもなく変わります。しかし違和感が日常になってしまっていると、そのうちに違和感だと感じなくなってしまっていることもあると思います。

 

今回は、便(以下うんち)との対話について、もう少しお話してみたいと思います。

 

うんちの構成は右記ページ(https://kinnosumika.com/pages/method)にもありますが、8割が水分で、残りの20%を食べカスと、消化管上皮、引退する腸内細菌で構成されています。

8割が水分ということに驚かれる方も多いのではないでしょうか。うんちの8割が水分なら、積極的に水分を摂れば良いうんちになるのでは?と考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。良いうんちか悪いうんちかを決めているのは腸内細菌なのです。

1gのうんちには、大体6000憶個~1兆個近くの腸内細菌が含まれています。1回の排泄で、200g300gが理想のうんちとされていますので、その中には120兆個以上の腸内細菌が含まれいます。また、うんちの腸内細菌というと、みなさんは真っ先に大腸菌を思い浮かべると思いますが、大体1000種類100兆個が細菌が腸に生息していますが、大腸菌は全体の1000分の1程度です。

そもそも良いうんちとは?

 

良いうんちの理想

     毎日でる。

     自然にストーンとでる。

     色は黄色から、黄色がかった褐色。

     バナナ2本~3本程の体積。

     200~300g程度の重さ。

     臭うけれど、キツイ臭いではない。

     バナナ状~練歯磨き状くらいの固さ。

     水分が80%くらいで、便器に落ちると、パッとほぐれるくらい。

 

毎日うんちを観察していると、本当に腸からのお便りだな。と日々感じます。お肉をたくさん食べた次の日のうんちは濃い茶色のうんちがでたり、脂肪分をたくさん摂った次の日は、白っぽいうんちがでる等、胆汁酸(胆汁酸については別のブログにて)の影響により、食べたものが如実にうんちとして出てくるので是非観察してみてください。

 

ニオイについて

⑥にもあるように、腸内で有用菌が優勢になっていれば、うんちのニオイはさほど臭くありません。臭いということは、腸内に有害菌が増えているということを知らせてくれています。オナラの臭くなるのも有害菌の仕業です。

便が臭いということは、有害菌がたんぱく質を分解し、腸内腐敗が進んでいる証拠です。臭いだけではなく、有害な毒素もだすので大腸の劣化も招きます。

例えば、9割以上が有用菌で構成されている赤ちゃんの便は全く臭くありません。便の臭いは、食生活の影響が大きいのです。

 

ちなみに、みなさんは「宿便」って言葉聞いたことありませんか?

よく宿便によって消化吸収を妨げるとか、これを飲むと宿便がすっきり。なんて言葉をみかけることがあります。仕組みとしては、絨毛に食べカスがひっかかり、それがこびりついて残ってしまったものが「宿便」とのこと。そしてそれが、、栄養分の吸収を妨げ、機能を低下させ、肌荒れの原因になるとかならないとか。どなたが作った言葉か知りませんが、よく考えたなぁと思います。

しかし、結論としては、「宿便」というものは存在しません。

小腸の吸収上皮細胞は、わたしたちの体の細胞の中で最も寿命が短く、1日半程で絨毛から脱落して死滅します。大体24時間程の寿命で、新陳代謝がとても激しいのです。

うんちがこびりつくようなことは、内視鏡でも確認できないとのことです。

 

便の話はまだまだ終わりません。

消化されるまでの話や、便秘の話、そして便を出すための機能である肛門のすばらしさについて、次の機会にお話したいと思います。

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